シロアリ防除で業界首位でコロナ禍でも営業利益率10%を超える高利益率体制を誇るアサンテ(6073)の2021年度通期決算分析です。
筆頭株主の株式売り出しと大規模自社株買いに伴う株価下落禍にコツコツ闘いを挑み、ようやく株価が安定してきました。主力として頑張った甲斐がある株です。大切に見守っていきたいと思います。
今回の決算概要をざっくり見たイメージは以下です。
- 2021年決算は第二四半期以降、回復し予想比増益!
- 成長の要は従業員の増加。従業員は新入社員を技術系→営業職経験で増加傾向
- 中期成長の要は従業員の増加、西日本拡大、ハートフルホームのようなM&A
- JAと連携し、2015年以来、愛媛県へ進出決定!
- 22年4月月次は前年同期比+43%と復調!
短期的に爆上がりするような材料はありませんが、非常に堅い決算で将来期待も安定感のあるものに思いました。
アサンテは過去決算分析もしていますので、資産株記事と合わせて宜しければ閲覧ください。
通期利益を超過!19億円もの大規模自社株買い!アサンテ(6073)の2021年度第三四半期決算分析
アサンテ(6073) シロアリ駆除業界No.1!株主優待 三菱UFJニコスギフトカード2000円 配当+優待利回り5.5% 【資産株108.】
1.2021年度通期決算分析-アサンテ
- 決算短信と通期決算説明資料を抜粋します。
- 前年比はコロナ影響を第一四半期にもろに受けたため、減収減益。
- コロナ影響を受けながら4%弱の減収、営業利益率11%を叩き出しているのは素晴らしいです。
- 自社株買いやハートフルホームの買収が無ければ、配当を支払ってもキャッシュが貯まる構造になり、安心です。
- 予想比です。
- 売上高のブレが1%以内に対して、EPSのブレ幅は+31%になっています。
- コロナ影響が読み切れなかった事も関係あるためか保守的な予想になっていたようです。
- 四半期売上高動向です。
- 第一四半期は白アリ防除事業の稼ぎ時でありましたが、ここにコロナをモロに食らったため通期売上減少に繋がっています。
- しかし、第二四半期以降はいずれも前年同期比増収で回復傾向が鮮明です。
- サービス別では、地震対策と湿気対策が二桁の減収となっています。
- シロアリ関連は減収幅が1桁に留まりました。
- B/S資産の部です。
- 80億を超す現金預金は自社株買いやハートフルホームの買収で目減りしました。ですが、なお潤沢です。
- のれんが4.5億ありますが、これがハートフルホーム取得によるものかと思います。数年かけて償却が進んでいくのかと見ます。
- 負債の部です。
- 負債合計は27.6億。現金預金で2回返せるので余裕です。
- 自己株式20億を取得しています。償却か更なるM&A活用の期待があります。
- P/Lです。
- 売上高原価率30%と低位で推移安定。
- 販管費比率が高いですがここに力を入れているのと営業職が中心なので必要投資でしょう。
- キャッシュフロー計算書です。
- 連結範囲の変更による子会社株式の取得で4.19億(ハートフルホーム)、自己株式の取得で20.53億の現金がを使っています。
- ここが効いて、現金同等物は90億から66億に減っています。
- 今期良いなと思ったのは従業員が減少傾向だったのに対して復調の兆しが見られたこと。
- 会見では新卒の技術職を営業職経験をさせるために回した関係で従業員数は伸びた事。
- 福利厚生や教育体制の充実を図ると言っていたので、販管費はここにもっと使っていいと思います。
- これは嬉しいニュースです。
- 長らく営業所の拡大が無かったのですが、2015年の兵庫以来の営業所新設です。
- JAと密着して西日本エリアへの拡大を図るための新たな船出です。
2021年通期決算短信 より抜粋
2021年通期決算説明資料 より抜粋
2.中期経営計画の要は従業員の増加か..
- 続いて中期経営計画です。
- 同社はローリング方式(毎期、期が進む事に中期計画内容を見直す方式)で作っています。
- 21年比で3年で18%の増収、営業利益は62%増を見込んでいます。
- コロナからの回復と成長の二軸が利益アップの鍵かな?
- 同社は販管費を使って営業を拡大するスタイルかと思います。
- なので、従業員数の増加が成長の鍵。
- 3年で7.3%増は高い目標に思います。従業員の増加と定着を図るための具体的な方策展開を期待したいと思います。
3.2022年4月月次売上はコロナ影響残るも43%増の復調の兆し!
- 2年前には及ばないまでも、稼ぎ時の4月月次は前年同期比+43%と復調の兆し!
- しかし、5月に緊急事態宣言が出ているため、5月以降の前年同期比の動向が気になります。
- 本格回復は23年度でしょうか。
本格回復期に無い状態でも、新規出店とM&Aを行っているため緩やかながらも今後の拡大に期待して継続ホールドです。
令和4年3月期月次売上 に関するお知らせ
以上です。
*当記事は個別銘柄について言及していますがあくまで個人の見解・分析であり、売り買いを推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。