シロアリ防除で業界首位!平常時は20%以上と極めて高い営業利益率を誇るキャッシュリッチ高配当株のアサンテ(6073)。2021年度第二四半期決算分析です。
決算概要をざっくり見たイメージは以下です。
- 1Qはコロナ影響で大幅減収減益も、2Qには前年並みに回復!
- 9月は消費増税前の駆け込み需要が前年あったが、それを差し引いても良い数字
- 北海道進出!ハートフルホームを買収し年間9億円の増収へ!
- 第二四半期は前年同期比増収減益。増収要因は7月から買収したハートフルホームが寄与。減益要因はM&Aに伴うアドバイザリー費用や買収額と総資産の差額である「のれん」等
- コロナ影響が回復する、2022年度は高確率で前期比増収増益ではないか?
資産株として300株保有しつつ、値上がり期待でも仕込みを入れています。アサンテの資産株記事も書いているので良かったら閲覧どうぞ。株主優待は上期、下期共に金券が1000円ずつ出るので総合利回り5%程度です。
アサンテ(6073) シロアリ駆除業界No.1!株主優待 三菱UFJニコスギフトカード2000円 配当+優待利回り5.5% 【資産株108.】
1.2021年度第二四半期決算概要
- 決算説明資料がよくまとまっているのでこれを抜粋します。
- ここの財務は極めて良くキャッシュリッチなので財務は全く心配していません。
- コロナ影響は第一四半期決算でモロに影響を受けています。緊急事態宣言にて新規顧客の訪問自粛が大打撃を受けています。ここは客先へのダイレクト営業をしているのでキツイですね。
- しかし、6月以降は営業活動を再開。第二四半期は減収ながら悪くない立上りです。
- この上期に注力してきた取組たちです。
- 2の優秀な人材確保というのは、10/22発行のアナリストレポートによると技術職を営業職に回し、技術もできる技術営業として戦力化する事で販管費抑制を図ったようです。やりますね。両方できる従業員さんには基本給アップもお願いしたいです。それが人材の定着に繫がるので。(この会社の長期的な課題は、膨大な白アリ市場を開拓する人員確保です。ですが、人が集まらずに西日本の開拓は遅々として進まずです。)
- しかし、この拡大をM&Aでやってのけようとしています。新たに北海道に本社を置くハートフルホームを買収しました!この分が第二四半期決算では寄与しています。同業種の買収なのでシナジー効果も期待できそうです。これで北海道進出の足掛かりができました。
- 買収した会社の詳細です。
- 売上高は9億2300万。新規営業エリアの獲得と同社が持つノウハウや人材活用。
- 事業拡大等が目的です。総資産2.8億円に対する買収額が6.7億円と「のれん」が大きく発生しています。非効率に見えますが、じり貧状況を打破するには良いと思います。キャッシュは潤沢にあるので多少非効率でも売上が伸びればすぐに回収できるえしょう。営業利益率は飛躍的に高いので。
- 実績です。第二四半期は減収減益。2桁減益です。
- 営業利益に至っては34%減と大きいです。これは、ハートフルホームの買収に伴うアライアンス費用0.67億円も効いているのかと思います。一過性のものと理解しました。
- 減益といえど、営業利益率15%以上、当期純利益率11%と超優秀です。
- 第二四半期だけの売上実績を見ると前期比実は増収です。
- これは、7月から傘下に加わったハートフルホームが寄与しているためです。
- アサンテ単体は月次売上推移を見る限りでは、9月の消費税増税前の駆け込み需要があった前年を下回る売上だったので四半期では減収になっています。
- サービス別では、主力のシロアリ防除の売上高が46%とトップ。次いで湿気対策、地震対策と続きます。
- 人員数の推移です。会社としてはここを伸ばしていきたいのですが徐々に減っていていかんともしがたいですね。
- 事業内容は筋が良く利益率も高い。ですが、人が付いてこない。ダイレクト営業タイプなので人員補充が欲しいどうしても。。という状況です。
- 待遇や給与水準の見直しが必要なのかもしれないですね。多少営業利益率は落ちても人への投資は大事です。
- 第二四半期単体の業績比較です。
- 前年同期比で増収。売上総利益以下は減益です。この減益影響は買収に伴う費用を計上しているためだと思いますが影響金額の詳細が不明です。ここはアナリストレポートに多少答えがあるのでそこを掘り下げてみます。
- 通期予想の進捗率です。
- 売上、売上総利益の進捗率はまずまずです。
- 営業利益以降は進捗率が非常に高いですね。ハートフルホームの、のれんも発生するかもしれませんが、一括償却でなければ上方修正の可能性高そうです。
2021年第二四半期決算説明資料より抜粋
2.2021年10月月次売上は好調!ハートフルホーム買収の影響
- 10月、下期に繫がる月次売上が出ています。
- 9月は消費増税前の駆け込み需要も加わってから2桁減収となっています。
- 10月は前年同期比+4.4%と好調な滑り出しです。上期に抑えられた分が下期に売上が回る事も考えられます。期待有と見ます。
- ハートフルホーム買収の影響です。
- 同社は3年間の売上高は8.5億前後で推移、19/3期末の総資産は2.8億円弱で6.7億円で買収。PBRで言うと2倍以上ですね。これは一見高そうですが、同社の収益力やブランド価値がこれほどの価格を出したのでしょうね。2005年に株式会社化してから14年で売上高を1億から9.45億までのばしてます。
- 買収価格と総資産の差額がのれんとして、今後計上されていきます。キャッシュを早く確保するならば一括償却が妥当ですかね?
- ハートフルホームの費用は償却以外に、買収関連費用0.67億円が乗るようです。下期予想では売上が前年同期比回復した事による歩合給の増加もあるようです。
- このハートフルホームの業績が下期には寄与してくるので、同社が単体で赤字でなければ下期は通期業績予想から上方修正を出してくるのでは….?と思います。
良い決算だと思いました。22年以降に期待できる内容です。
2022年10月22日アナリストレポート より抜粋
以上です。
*当記事は個別銘柄について言及していますがあくまで個人の見解・分析であり、売り買いを推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。