神奈川県に本社を置く清掃中心のビルメンテナンスを手掛けるハリマビステム(9780)。通期業績予想は減益から始まり、第一四半期好調。第二四半期で上方修正で最高益更新予想を出しています。
そんな好調決算を叩き出したハリマビステムの第三四半期決算分析です。
ざっくり見た印象としては
- 第三四半期は利益増加のスピードアップ!更なる増益で前回だした上方修正予想の営業利益の進捗率99%!
- 過去数年間、第四四半期が赤字になった傾向は無い事から、相当高い確率で通期上方修正を出してくる事が読み取れる。
- 攻めている!短期・長期借入金を増やし、固定資産取得!
です。前回の上方修正は若干株価が上がった後は横ばい基調に戻りましたが、今回は発表後の2月8日に一時15%高になる力強い伸びを魅せてくれました。
一部利益確定しましたがまだ主力2位で保有中なので今後も見守ります。
なお、ハリマビステムは前回の決算分析記事も書いていますので宜しければ参考ください。
減益予想から一転して上方修正!2期連続最高益予想!ハリマビステム(9780)
1.2021年度第三四半期決算分析
- 決算短信を抜粋します。
- 前年同期比増収大幅増益です。営業利益の増益幅が44%、経常利益の増益幅が70%とめちゃくちゃ増えています。
- 定性要因で触れますが営業利益は大型の新規案件獲得をしたことが大きいようです。経常利益面では同社は上場株をいくつも保有しており、ここの配当金が増加した事が大きいようです。
- 第三四半期だけで営業利益を2.33億稼ぎ出しているので通期では更にドライブがかかりそうです。経常利益の増益だけでは微妙な決算に感じますが、本業の営業利益を伸ばしている事が良いですね。大事なのは本業です。
- 定性要因です。
- コロナによる業務縮小影響は多少あるものの、大型物件をはじめとした新規物件が利益確保に効いているとのこと。
- これは財務面にも表れており、現金預金と手形・売掛金合わせて13億ほど増加しており財務強化されています。
- 他方、この現金増加は業績だけではなく借入も相まっています。借入金を7億増加させています。この好業績状態で更に借入しているのが、事業拡大のために攻めようとしている姿勢に感じます。
- B/S資産の部です。
- 現金預金と手形差し引き前年同期比で13億増加しています。
- 固定資産で建物と土地を1.2億、1.3億増加させています。不動産賃貸収益と費用が同社のP/Lには計上されているのでこの部分で利益を生み出すために投資しているのかと思います。
- 負債の部です。
- 短期と長期の借り入れが増えています。固定資産取得の攻めに一部使われています。残りは現金預金が増大しているので今後、何に投資するのか興味深いですね。本業強化で投資するか、還元してほしいですね。(ですが、同族企業で、永久に50円配継続の状態なので還元は期待できない…と見ます。)
- P/Lです。
- 売上原価率は88%→87%と1%良化しています。
- 増収効果が効いており販管費比率も良化しています。
- 営業外の受取配当金が1.5億増加。これが経常利益を押し上げています。日本管財や東京海上やみずほ、三菱UFJ等の高配当株からの配当が効いているのでしょう。(有価証券報告書に記載されています。保有数が)
- 固定資産取得の部分が地味に効いている?(これから?)かは分かりませんが、不動産賃貸料が増加しと不動産賃貸費用が減少しています。
- 多分、子会社のエヌケー建物管理あたりが不動産の取得と分譲、賃貸を担っているのかと推定します。
2021年第三四半期決算短信 より抜粋
2.通期・来期予想を見込むと..
昨年、過去最高益を出しながら、通期業績予想は減収減益の保守的な予想を出したため5~11月ぐらいまで株価はずっと低調でした。利益超過で上方修正はかなり高い確率で出ると思いますが、それを出さずに実績数字だけ魅せて、通期減益予想の可能性もあります。
利益は増加し続けているので長期保有には向いていると思いますが、これをやられると厳しいですねぇ。今後の株価動向も含み付き合い方を考えます。
以上です。
*当記事は個別銘柄について言及していますがあくまで個人の見解・分析であり、売り買いを推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。