神奈川県の横浜みなとみらいを本拠地とするビルメンテナンス事業を展開しているハリマビステム(9780)。ビルシステム関連では日本管財が有名ですがここも歩みはゆっくりであるものの安定黒字で、ここ数年業績を伸ばしてきています。コロナ影響が不透明であったため来期業績予想は減益予想でしたが…
- 第二四半期増収増益!営業利益は過去最高益の前年前期を22.5%も上回る好調決算!
- 通期業績予想を上方修正!増収増益予想で営業利益は前年比+14.7%、経常利益は+31.2%と順調な伸びで最高益2期連続更新予想!
- 「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」よりビルメンテナンス業が社会的に求められる事業に!
と素晴らしい予想をたたきだしてくれました。第一四半期決算から好調だったものの、先行き不透明なので来期予想は減益という姿勢が一転して上方修正に変わったのは大きいと思います。
株価は冴えない状態が続きますが、この状況が続けばいずれ見直されると信じて長期保有継続です。
ハリマビステムについてはバリュー株分析記事も書いているので良かったらどうぞ。
ハリマビステム(9780) PER7.93、PBR0.49倍の安定黒字 主力バリュー株! 【バリュー株分析1.】
1.減益予想から一転して通期予想上方修正!2期連続最高益予想!
- コロナ影響による一時的な減少はあったものの影響は限定的というコメントは今回、多数の決算分析をやっている中では中々みません。ナフコぐらいです。
- 政府の策定した「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」から社会安定性の維持から事業継続が求められた事。というのは強いですね。
- 増収幅に対して営業、経常増益幅が大きいです。短信内にある大型の高利益物件契約が取れたのが大きいと見ます。
- 中間配当を同時に発表し、前年同期と同じ25円配当です。30年以上50円配当を続けていますね。
業績予想修正のお知らせより抜粋
2.2021年3月期第二四半期決算概要
- 決算概要です。
- 第二四半期は微増収大幅増益です。営業利益は前年同期+22.5%、経常利益は+31.1%と好調です。
- 通期予想も増収増益基調です。第一四半期が好調だったので第二四半期はマイルドになりましたが、このマイルド状態が第三、第四四半期も続くとみての予想と思います。
- 定性要因です。
- 大型新規物件の本格稼働とあります。これは清掃業務契約なのかビルメンテナンス契約なのか詳細が単一セグメントなので分かりませんが契約とあるので長く続きそうです。増収幅に対して増益幅が大きいので売上高総利益率の高い良い案件なのでしょうね。
- 財務に関しては黒字で好調決算なので資産は勿論増えていますが、負債も同時に増えています。
- B/Sです。
- 資産は主に流動資産が増えていますね。現金預金が4.2億、受取手形・売掛金が1.3億弱と流動性が極めて高い資産が増えているのが良いですね。
- 固定資産も土地や建物が1.2億円増えています。
- 財務は健全そのものです。
- B/S負債の部です。
- 買掛金・その他減少、短期借入増でトータルの流動負債は1億減少。
- 固定負債は長期借入金が3.3億も増えています。この借入は、新たな攻めに使うのかもしれないですね。
- 負債合計49億円に対して流動資産74億円。うち現金と手形・売掛金が70億円なので資金繰りは余裕でしょう。さすがビルメンテナンス会社!
- P/Lです。
- 売上原価に大きな変化は見られず。
- 販売費及び一般管理販売費は賃貸料とその他が減少し増益へ。
- 営業外の受取配当金と不動産賃貸料が伸びています(不動産賃貸費用との差し引きも増加。)。これは前期末に4.5億円の投資用不動産を取得した結果かと思います。特に受取配当金は1.1億円ものびていますね。何に投資しているのでしょうか?有価証券報告書を見てみます。
- これは20.3期の有価証券報告書より抜粋しています。
- 受取配当金が急増した原因が謎です。全事業年度と保有枚数に変化はありません。
- これを全部足しても投資金額そのものがざっと2~3億円程度。B/S上の投資有価証券が6億あるのでこれ以外にもありそうです。でも、投資有価証券の保有額はB/S上変化が無いようです。非上場部分の株式(子会社)等の配当金が多くなったのか….ちょっと掘り下げきれません。
詳細がよく分かりませんが、受取配当金が急激に増えている事は分かります。これ以上は掘り下げるのはひとまず辞めておきます。好調という事が分かったので十分です。
2021年第二四半期決算概要より抜粋
第58期有価証券報告書 より抜粋
以上です。