バリュー株分析第21弾!
自動車世界最強のトヨタグループで自働車無向け特殊鋼を主で手掛ける愛知製鋼(5482)です。収支トントン予想なのでPERは出せず、PBRは0.33倍です。(2534円前提。)PERは前年の1株益を元にすると5.83倍です。
リーマンショック時は営業赤字でしたがその後10年以上、バラつきはあるものの十分安定黒字。営業利益率は5%前後で安定。自己資本比率57%で流動資産減少してきていますが総負債以上なので財務は問題なしです。
自働車がある限り確実に残り続け成長すると確信しているトヨタグループ傘下で株価が右肩下がりに余りにも叩き売られているので注目です。
愛知製鋼の魅力は以下!
- PBR0.33倍は過去PBR推移からすると歴史的割安水準
- 株価は17年5500円より半値以下にたたき売られており値ごろ感有
- 18~20年の業績に戻ってくれば130円配当も戻る。そう考えれば配当利回り5%以上。それを待ちバリュー度が高い今仕込むのは堅い
資産株風に見ながら、バリュー株のMust要素を抑えたいと思います。
【投資15.】バリュー株投資 ノウハウ ①Mustで絶対に外せない点 「業績向上 or 横ばい」 「指標 割安 」「上場来安値 年初来安値」
1.事業概要(鉄鋼)
会社概要です。
- 愛知製鋼株式会社
- 1940年設立
- 東京証券取引所第一部上場
- 事業概要
鋼材、鍛造品、電磁品の製造と販売
創業当初からある鋼材を主力として自動車や産業機械用途へ展開。鋳造品は自動車の軽量化、高性能化に役立てられています。電子部品等にも展開される電磁品が今後の新規事業商品となっています。
会社概要 より抜粋
事業概要
- 事業領域として、特殊鋼条鋼、鋳造品、ステンレス鋼、電装品、その他と5事業があります。
- 特殊鋼条鋼は、製鋼・圧延・精整の工程を経て製品になるようです。
- 設備が大規模で設備投資がかさみそうですね。
- 鋳造品は超高温で素材を融解して型に流し込む事で作っているかと思います。
- 自働車用部品をここで手掛けているわけですね。鋳造品といえば、中央可鍛工業も鋳造品を作っていましたね。
会社説明資料より抜粋
決算分析
- 8/5発表の四半期決算説明です。
- 20/3期は減収増益で10円増配。営業利益率5%超えでまずまずの決算でした。
- 第一四半期決算は対してコロナ影響で大幅な減収赤字。
- 鋼、鋳造品を中心に大幅に減収(40%以上の売上数減)が影響しています。
- 自働車、自動車部品、建機、産業機器など幅広い分野で大幅減です。
- ですが、2Q以降で回復を見込む予定です。
- 2Qには売上数が70%を超え、下期は前年比100%超えを見込む水準としています。
- 足元で自働車メーカーの中間決算が盛り返しているので堅い予想でしょう。
- 通期では営業利益5億円のわずかながら黒字を狙いにいきます。
- 鉄スクラップ価格の材料費低減やTPS(トヨタ生産方式)による収益改善活動などが増益要因となっています。
- 2030年のビジョンがありました。
- スマートファクトリー等を取入れてステンレス鋼の比率を引き上げたり、原価低減を継続する事で利益率の拡大を図りに行ってますね。
- 景気循環の上向いたときにこうなると見込んでいると良いと思います。
- 第一四半期決算のB/Sです。
- 現金預金と受取手形・売掛金で700億弱。総負債1000億は賄えないものの、流動負債320億円は余裕で支払えるので当面の資金繰りは問題なしでしょう。
- コロナが回復するまでに十分耐えられる財務と見ます。
2030年ビジョン発表会 21.3期第一四半期決算短信より抜粋
2.各種指標
(PBR0.33倍)
株主優待(なし)5年株価チャート
配当利回りや割安指標、株主優待、チャートを紹介します。
各種指標
以下の指標を表にまとめています。
- 過去3年利益に対する今期配当金予想の配当性向
- 1株配当、優待金
- 配当利回り
- 優待利回り
- 総合利回り(配当+優待利回り)
- PER/PBR/ミックス係数
- 配当は未定予想なので会社四季報の下限値を使っています。
- 20.3期の130円配にはコロナ後に業績が回復してくる23年には戻ってくると見ると配当利回り5%以上なので良い水準です。
- PBR0.33倍というのは過去10年間の期末PBRを見た時に最低水準です。この低PBRに着目して収益回復時に4000円ぐらいまで回復する事を見越して投資したい銘柄です。
期末PER/PBR推移
- PERは1株益がばらつくため実力を見極めるのは難しいですが、7~10倍程度がフェアバリューといったところかと思います。(業界が基本的に低PERのため)
- PBRは20.3の0.4倍を割り込んでいます。激安水準です。
株主優待(なし)
愛知製鋼の株主優待はありません。
5年株価チャート
- チャートが魅力的です!
- 16年の高値では6000円、17年は5500円程度の水準だったものが右肩下がりに。
- コロナ前に4000円を回復するかと思いきや、コロナショックで2500円を切る水準に。今の株価はコロナ後から回復していません。仕込み時水準ですね。
第二四半期決算で業績回復基調になっている事を見越して仕込むのは有です。
tradingview よりチャート転載
3.財務分析
ここでは、長期保有に適しているかを見ます。要は
- 短期的な業績悪化で潰れる心配はないか
- 事業継続場で資金繰りが厳しく、無理な状態ではないか
これを見ます。バリュー株は上がるまで長期的に待つ戦法です。潰れてしまうと意味がないのでそこを見ます。配当余力が無くても構いません。
具体的には
- 自己資本比率が30%以下など低すぎないか
- 手元現金は豊富か
- 財務基盤は強化されているか
この辺りを荒く見ます。
IR BANKから抜粋して独自に加工ています。(業績、配当・自社株買いの項目も同様)
財務分析
- 業績はバラつきながらもリーマンショックを除いて営業黒字だったため株主資本、利益剰余金、現金同等物は増え続けています。有利子負債も増加傾向ですが、こちらの方が増加額は低いのでトータルの財務は良化しているとは思います。
- ですが、流動資産が目減りしており総負債に対しては下がってきているので資金繰りが大丈夫かは見ておく必要があります。(第一四半期を見る限りでは余裕の状態です。)
- 流動資産が長期的には減少してきています。
- 総負債も絞れているので完全に悪化しているとは言えない微妙な水準です。
- ですが、数年でいきなりどうこうなる財務ではないです。
長期保有は決算の度に財務を見て危険を察知すればよいと思います。
設備投資が多いはずなので資金繰りには注意です。
4.業績
業績は
- 減益から下げ止まった横ばいか
- 長期的に増益基調か
ここをメインで見ます。前者だと株価反転のチャンス。後者だと長期的には上昇するからです。
業績
- リーマンショックは赤字。
- ですが、その後V字回復を遂げて43~139億円とばらつきはあるものの営業黒字継続。
- 営業利益率は5%前後で安定していますね
- 景気循環の上を狙って、今投資するのは有です。
5.配当金、自社株買い
配当金、自社株買い
- 株主還元姿勢はあると見ます。
- 何故なら財務は良化してはいるもののスピードが緩やか。配当性向30%というのは設備投資が大きい業界では結構努力している方に思います。
- ここ10年では増配傾向。今期はコロナで減配必至でしょうが、業績がもどってくればまた130円配を目指してくれるでしょう。
- 自社株買いが欲しいところですが中々無いようです。
6.魅力とリスク
愛知製鋼の魅力とリスクを考えてみます。
魅力
- PBR0.33倍は過去PBR推移からすると歴史的割安水準
- 株価は17年5500円より半値以下にたたき売られており値ごろ感有
- 18~20年の業績に戻ってくれば130円配当も戻る。そう考えれば配当利回り5%以上。それを待ちバリュー度が高い今仕込むのは堅い
- 21.3期の営業利益5億円は原価低減で生み出している。TPSでの継続的な原価低減活動に強みあり。
リスク
- 素材価格の変動影響を受ける
- 同業他社との差別化要素が明確には見られない
- コロナが長期化して回復が遅れれば更に株価は下落する可能性はある(2000円を割り込みに行くかもしれない)
以上です!
日の目を見ないバリュー株にも幸運の光があらんこと!!
閲覧有難うございました! 全世界の投資家とランナーに幸あれ!
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