食品素材の研究開発型メーカーである太陽化学(2902)の通期決算分析です。
残念ながら通期決算は前年同期比減収減益で沈みました。更に減配によって年初来安値更新です。少し調べてみましたが、ここは決算跨ぎをしてはイカン銘柄でした。
ざっくりと決算を掘り下げます。
1.2022年通期決算分析-2902-太陽化学
- 決算着地は増収減益。
- 業績好調イメージがあったので何故?という印象です。
- また、配当予想がまさかの….11円減配。これは印象が悪いです。
- 来期は増収減益予想です。
- これは第三四半期の決算短信です。
- 第三四半期までは増収増益基調でした。更に期末10円の増配。
- 第四四半期の業績が悪かった事が伺えます。
- 定性要因、セグメント別業績です。
- ニュートリション事業は増収減益。第三四半期までも減益でしたが減益幅が広がっています。
- インターフェイスソリューション事業は増収増益ですが増益幅が第三四半期よりも落ちています。
- 要因はこの2事業のようですね。
- B/S資産の部です。
- 好財務ですが現金預金と受取手形が減少しています。代わりに固定資産が増加しています。(投資している)
- B/S負債の部です。
- その他が主に減少し流動資産減、固定負債少なく好財務維持です。
- P/Lです。
- 販売費、一般管理販売費が9億も増えています。第三四半期もこの傾向でしたが売上高の伸びが大きかったため営業増益でした。
- 攻めている(開発投資)一方、それが経営に結びついていない状態でしょうか。
- 一方、円安によって為替差益が3億も出ています。これは好材料ではあります。
来期保守的予想
太陽化学の昨年の通期決算も見ましたがやはり減益予想でした。その中で上方修正を発表して増益予想に転じていました。通期予想は保守的に出す企業は決算発表前に売るのが鉄則ですが見逃していたようです。
とはいえ、第三四半期、第四四半期から営業利益が減ってきており本当に業績が悪くなってきている事も分かります。販管費増が無ければ増益なのですがこの2022年度は思いっきり投資しているようです。
太陽化学、今後どうするのか考えものです。とはいえ…
- 減益下でも財務強化は進む事
- 長期的には増配傾向。ただし、2~3期ペースで微減配も繰り返している
- 自社株買いは4年連続で億単位実行
という事で長期保有では報われる銘柄です。配当利回りは現在の株価だと3.4%程度。もう少し下げそうですが悩ましい位置です。1500円は割ると考えらえるので一旦手仕舞いするのも有です。
以上です。投資家とランナーに幸あれ!
*当記事は個別銘柄について言及していますがあくまで個人の見解・分析であり、売り買いを推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。