コロナ影響解消せずに下方修正!オンリー(3376) 2021年8月期第二四半期決算分析【決算分析.45】

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2~3万円台のツープライス店舗に自社工場で生産ブランド展開しているオンリー(3376)の2021年度8月期第二四半期決算分析です。

残念ながら1月の緊急事態再宣言を受けてか業績は予想より若干悪く、下方修正になりました。

決算概要をざっくり見たイメージは以下です。

  • 営業利益悪化、固定資産売却で経常利益は収支トントン。純利益は若干の黒字
  • 固定資産売却は、倉庫店舗の売却
  • 投資用不動産の収入は継続
  • 1Q,3Qの売上偏重し4QがBOTTOMの四半期構成
  • 2021の2Qは過去4年推移を見ても、売上高は低め
  • 上低迷の最悪期は脱しつつあるか?

オンリーに関してはバリュー株分析記事を書いているので宜しければ併せて閲覧ください。

市場に見放された超資産バリュー株! オンリー(3376) PER22倍 PBR0.33倍 【バリュー株分析31.】

 

 


1.下方修正と固定資産売却-3376-オンリー

下方修正と固定資産売却-オンリー

  • 4/12決算発表前の前営業日。下方修正を発表しました。
  • 売上高は若干の減少。営業利益は70百万程のマイナス。経常利益は収支トントンに。
  • 固定資産売却の特別利益で四半期純利益は黒字に浮上です。
  • 本業の営業利益が悪化しているので事業が芳しくない事が伺えます。

下方修正と固定資産売却-3376-オンリー1.

  • 売却した固定資産です。
  • 京都市にある倉庫用途の土地を譲渡したようです。
  • 譲渡によって譲渡益76百万円と減損損失40百万円ほどが計上されています。
  • 生産期間短縮を進めていると定性業績説明にあったので、倉庫を不要にした状態での生産方式を確立出来たのでしょう。地味に将来競争力強化に繋がっていると見ます

業績予想のお知らせ
固定資産売却のお知らせ より抜粋

 

2.2021年第二四半期決算分析-3376-オンリー

2021年第二四半期決算分析.オンリー1.

  • 2021年8月期第二四半期決算短信を掘り下げます。
  • 前年同期比大幅減収赤字転落です。今回は第二四半期なので2020年12月~21年2月までの数字が入っています。前年同期は2019年12月~21年2月なので、国内ではギリコロナの影響が出始めているか出ていても少しの段階といったところですかね。それと比較するとコロナ影響はまだ継続しているという印象です。
  • 第二四半期は無配です。
  • 通期予想は変わらずで50億の売上高に対して営業利益はわずか10百万の利益です。

2021年第二四半期決算分析.オンリー3

  • 定性要因です。
  • 第一四半期決算短信内容と大きく変わらない内容です。
  • スーツ着用人口の減少、コロナ・テレワークによってワークスタイルの変化が更に拍車をかけている壊滅的状況が継続。
  • 対して、自分色や多様化対応、普段着でも着こなせる商品の提供を図っている。また、テーラーメイドスーツ、ミニマルオーダースーツの生産期間短縮を図っているとあります。(この部分と減産が効いて、倉庫売却に繫がったと考えます。)生産期間の短縮は在庫圧縮になるため資本効率の向上に繫がります。
  • 意外なのが販売店舗です。退店もありますが、合計数では出店数を増やしている事です。店舗の規模にもよりますがアウトレット販売店は売れるのでしょうか。。
  • 販売費管理の削減、投資用不動産の賃料収入や助成金収入、固定資産売却益を合わせて何とか純利益は黒字に持って行った構図です。他方、減損損失も40百万円経常しています。
  • この厳しい状況の中、賃料収入が1億も入ってくるのは安定剤ですね。

2021年第二四半期決算分析.オンリー4

  • B/S資産の部です
  • 固定資産売却で主に土地が1億の減少、現金預金が売却によって増加しています。
  • 投資用不動産25.3億円部分は変わらずあるため、ここがオンリーの生命線かと見ています。これが無ければ、投資していません。

2021年第二四半期決算分析.オンリー5

  • 負債の部です。
  • 長期借入が流動負債に回っているようですが、負債合計額は前年同期比と変わらない事、流動資産>流動負債なので、資金繰りは全く問題なしに思います。
  • 業績回復まで安心して保有する事は出来ますね。

2021年第二四半期決算分析.オンリー6

  • P/Lです。
  • 売上原価率が売上高減少によって上昇しています。固定費が回収しきれんのでしょう。(30%台→40%台)
  • 販管費を20%ほど削減していますが、売上高の減少率の方が大きく追従しきれていません。ここも厳しい。
  • しかし、営業外収入が1億ほどあるので現状が売上のBOTTOMと見れば、ここからの切り返しが始まるまで耐える事が出来ます。オンリーを保有する最大の目的は、この小売り紳士服業界全体の回復ターンを待つ事です。その時に業績がどれほど回復するかを見極めたいと思います。(だいぶ先になりそうですが。)

2021年第二四半期決算短信より抜粋

 


3.季節変動と四半期売上高分析-3376-オンリー

過去4期分の四半期売上高推移-オンリー

  • オンリーは季節変動があるお話をTwitterで伺ったため、過去4年分の四半期売上高推移を調べてみました。
  • コロナ影響は2020年の第三四半期決算(2020年3月~5月)から出ています。
  • オンリーは1Q(9月~11月)、3Q(3月~5月)に売上が高まり2Q(12~2月)、4Q(6~8月)に売上が落ち込む傾向となります。特に3Qが稼ぎ時のようですね。
  • 赤字部分がコロナ影響で落ち込んでいると思われる部分です。
  • 稼ぎ頭の3Qでさえ、2Qの売上から6億も落ち込んでます。(2020年)これは厳しい
  • しかし、1Q売上が13億と徐々に良化している事が伺えます。
  • この調子でいけば、2021年の3Qは15~17億は出るのではないかと思います。4Qは10億でればよい方。会社予想の通期で50億は妥当な位置ですね。

過去4期分の四半期売上高推移-オンリー2

  • これを通期売上高に対する寄与率で比較してみました。
  • 例年の正常値を反映すると、1Qは26%程度、3Qで30%程度の寄与率。
  • 2021年は1Qが27.1%と例年に比べ健闘しているのに対して、2Qが再度の非常事態宣言で21%台と過去4年最悪値を記録。下方修正の原因ですか。
  • 2020年の3Qと4Qは目も当てられないですね。

高齢者へワクチンが行きわたるのに夏一杯ぐらいはかかると見て….そこからコロナの発生数が減少に転じ始めて….年末に問題ない事が確認できて徐々に回復してくる。。

期待は2022年業績の2Q以降ぐらいからですかね。

中々、先は長いです。

以上です。

*当記事は個別銘柄について言及していますがあくまで個人の見解・分析であり、売り買いを推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。

 

 

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