バリュー投資関係の本を読んだので書籍概要を紹介していきます。本書は16年前に読んだ四谷さんをデジャブ―させましたね。。内容はだいぶ違いますが同じサラリーマン投資家さんの本で、Twitterやブログで参考にさせて頂いている弐億貯男さんの本です。
- 本の概要
- (僕が読んだ上で)役に立つと思った点
- 所感
でいつものように掘り下げます。
僕なりに考える本書のポイント(想定読者)は以下です。
- 個別株投資をこれから始める、始めている方
- バリュー投資を主戦場としている方
- 売り買いによる値上がり益を狙いたい
- 買い方、持ち方、手じまいの仕方の考え方を知りたい
- 現金買付余力を持つ魅力を知りたい方
2億円と刺激的なタイトルですね。割安成長株投資を中心に考え方を丁寧に解説されています。理論ガチガチではなく、経験に裏打ちされた知恵も詰まっており僕にとってはこの知恵の部分が結構グッときました。(分かりますわそれ!!っていう感じ)
今年市場を苦しめたコロナショックに対応する投資感についても紹介されています。
書籍は以下になります。
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電子書籍はこちらです。
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1.本の概要
サラリーマンの生涯年収2億円を稼ぐことを目標に置き、割安成長株について以下の手順で掘り下げられています。
- 目標設定、少額資金から始める
- 何故、個人投資家には中小型株の割安成長株投資が理に叶っているのか
- 割安成長株に関する5つのポイント(何故、それが重要だと認識しているのか)
- 割安成長株と相性の良いIPO投資について
- 割安成長株の保有、売却戦略
- コロナショックへの対応
- 投資リスクをコントロールする方法
セミリタイアを念頭に2億円を目標に投資を始められています。凄まじいと思ったのは入金は元手100万+追加の250万円以降無い事です。それぐらいの資金ならば大半の方は頑張れば数年で貯められる水準かと思います。これを追加入金なしで2億まで増やしているのが凄まじいです。
中小型株の重要性、デイトレやスイングトレードが他の投資スタイルがサラリーマンに合わない観点(本業がおろそかになる)から割安成長株が理に叶っていると紹介されています。現金買付余力の重要性については「一気に全額投入しない」事を投資タイミングと併せて掘り下げられています。
割安成長株の5つのポイントについては成長性と割安性に着目した指標の考え方は他のバリュー投資家と大差が無い考えですが、攻めの部分にだけに注目するのではなく配当利回りなど守りの部分も併せて抑えている点が良いと思いました。(失敗した時のリスク低減になる。)
IPOに関しては考えさせられます。おそらく現金買付余力を多く残しているのはここへの当選確率をあげることも考慮されてかなぁと思いました。口座資金の軽重によって当選確率が変わる証券会社もあるからです。
割安成長株の保有、出口戦略に関するセオリー部分も参考になります。一番大事なのは当初買った時の路線が崩れた時は躊躇なく売るだと思います。
コロナショックへの対応についても現金買付余力を残しておくことがポイントだなと思います。
2.役に立つ点
以下、実投資や日々の考え方で使える….と思う項目を箇条書きで列挙していきます。
- 投資を始めたきっかけは日経平均株価最安値更新
ここに注目するところが割安成長株魂の原点かと。
- 身銭を切って投資経験を積む事で株式投資は上達する
これは理論に落とし込めない経験や知恵の部分ですね。肝を据える、腹で分かるといった感じです。要はやって失敗、成功してそこで得られた知見を再現できる、体現できる域に達する事が大事だと思います。
- 高い配当性向を公言している会社は成長性に自信あり
確かに配当性向を明言している会社はそれ以上手元にキャッシュが残るように運営する事が必然的に求められるので、公言した目標は余裕で達成できる状態にある事が読み取れます。減益になると合わせて減配するのが自然な形になりますが、そうならないために直近や来期業績が堅く増収増益の会社を選ぶようにスクリーニングしているのですね…。
- IPOセカンダリー投資
IPO銘柄は超割高の印象が僕にはあります。それは初値が公募価格をぐっと超えて取引が始まるからです。指標を見てもPER100倍、PBR4倍などの銘柄が多く全く魅力を感じません。
でもセカンダリー投資は別です。公募価格を割ってフェアバリューに近づいていくため右肩下がりのチャートを形成する事が多いです。ですが、上場間もない銘柄は成長性も高いため割安になればどこかで反発・値上がりするチャンスが出ます。ここを虎視眈々と狙うのは堅いなと思っています。セカンダリー投資での成功事例も載っているのが良いですね。
- 集中投資の重要性
これは重要です。僕も値上がり期待で枚数を増やしている株は10銘柄程度に抑えていますが納得です。ケアがおろそかになるし、枚数が増やせないので値上がりで得られる利益額が減ります。
資産株や高配当株投資は真逆の考えで超絶に分散投資させる方が良いと思っています。
- 多くは買付価格よりも1.5~2倍になったタイミングで利益確定
買値の10倍になるテンバガー株というのがありますが、これに当ると凄まじくカッコいいです。でも、そんな銘柄を当てるのは至難の業。現実的には1.5~2倍を狙うのが精いっぱいだしその方が確立が高い。僕のバリュー株投資感も狙いはこれぐらいの値差です。同じタイミングで利益確定して、それを積み上げている事に勇気付けられました。
- サラリーマン投資家ならではの4つのメリット
株式投資で順調に資産形成が進むと本業での気の持ちようも楽になるのだと理解しました。確かに確実に資産が増えて仕事を辞めても数年は困らない状況になると心に余裕が持てます。
- 現金買付余力の重要性
欲しい銘柄があってもグッとこらえる。欲しいタイミングで買えるように。普段の投資、余力の設定をすることで攻めすぎかを認識できる。コロナショックのような暴落相場に対しても追加買いが出来て備えられる。魅力が多いです。
僕は買付余力以上は買えない制限を自分に設ける事で、銘柄選定や日々の売り買いももっと冷静沈着に処理できるようになるのかなと思います。
3.所感
役に立つ点で沢山まとめていますが現金買付余力について考える事が一番の課題だなぁと思いました。ここはあまり深く考えずに年間を通して
- 割高相場(1月、4月、12月)では手じまいして資金を蓄える
- 割安相場(2月、8~10月)で全力投資する
事を意識してやっていました。が、こういう場合は〇〇ショック時には含み損になります。今回のコロナも投資資金を増やそうと貯めていた現金を投入したからこそ、ようやくプラスの状態になっています。それは入金力が弱い口座を見ればよく分かります。
今自分に出来る事は上記に加えて、具体的に数値で
- 〇%は買付余力を残した状態とする
のが良いのかと思います。例えば、割安相場でも常に10%は残しておくなど。
また、
- 欲しい銘柄が出てきてもすぐに買わない
これも意識しないで出来るようルールを設定する必要があります。値上がり期待銘柄は大型株とバリュー株合わせて10銘柄以内にする。というのが基本ルールとして再度認識しておきたいと思います。あとは
- 資産株と値上がり期待株のバランス
を考える事ですね。4対6の割合が理想と思っていますが、現実は逆転しています。現金買付余力を残すという視点と分散しすぎない投資が良いから改めて意識すべき点と再認識した次第です。
これを踏まえて最近毎週末に資産内容を見直す機会を設けました。
本書のポイントを振り返って終わります。
- 個別株投資をこれから始める、始めている方
- バリュー投資を主戦場としている方
- 売り買いによる値上がり益を狙いたい
- 買い方、持ち方、手じまいの仕方の考え方を知りたい
- 現金買付余力を持つ魅力を知りたい方
- バリュー株投資家の資産バランス、投資戦略に対する一考え方を学びたい方
閲覧有難うございました!バリュー株投資や現金買付余力の魅力、考え方がとっても参考になります。
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