配当+優待利回り5%以上の資産株として保有している日本管財(9728)の決算説明資料を分析しました。分析した理由は、昨日記事にまとめたバリュー株のハリマビステム(9780)と違い若干ながらも増収増益基調であったためです。何かこの業界将来構造が見いだせないかと考えました。
主観的に見た決算ポイントは以下
- 全事業好調で増収増益!
- 来期は第二四半期までコロナ影響見込むも辛くも増収増益!
- 独立系ビルメンテナンス業としては営業利益率5%以上と高い
- 現金預金で負債全てを賄う事が出来る鉄壁の財務基盤!
- 官民連携事業がミレニアム付近で始まったためハリマビステムは伸び始めたのか?
- 日本管財は資産株保有としては最適。永久保存銘柄の認識を強くした
日本管財に関してはこちらの資産株記事もどうぞ。
9728 日本管財 配当+優待利回り5%以上! 株主優待 カタログギフト ビルメンテナンス業界初上場! 【資産株お勧め2.】
1.20.3月期決算概要
分析の元は日本管財の決算説明資料を参考にしています。
- 先ず今期決算概要です。第三四半期まで元々好調だったので想定通り増収増益
- 売上高、営業、経常利益共に7%以上の増加です。
- 増収増益理由は契約更改(契約料の値上げ)や作業効率UPのためとあります。ここはハリマビステムも同様ですね。業界好況状態と見ます。
- 次いで簡易B/S
- 現金預金が285億あり、流動負債が150億、固定負債が89億。現金預金のみで負債を完全に完済できるので相当に強い財務基盤です。(普通、良くても受取手形や売掛金含めて負債全てを回収できるだけでも優秀です。)
- ハリマビステムと違い、販売用不動産や有形固定資産はあまり伸びていません。この部分が戦略の違いかと思います。
- 続いてキャッシュフロー計算書
- 営業キャッシュフローは大幅増。全く問題無しです
- 財務活動のキャッシュフローは大幅にマイナスで攻めてますね!投資有価証券の取得による支出増加とあります。新たに傘下に加える子会社を探しているのかな?
- 配当で毎年20億弱のキャッシュが持っていかれる構造です。現金預金の1/10以下なので50円配当は余裕ですね。
2.セグメント別分析
- 主力は建物管理運営、住宅管理運営、環境施設管理事業といったところです
- 建物管理(ビルメンテナンス・プロパティマネジメント、警備業務)はハリマビステムも手掛けています
- 5年間の主要事業の業績推移です。
- バラつきが殆ど無いですね。総じて営業利益率も高く業績も安定、少しずつ拡大しているので資産株保有には本当に最適ですね。安心して保有できます。
- 不動産ファンドマネジメントの利益率が悪化していますが、それでも9%以上。増収なので利益額は伸びているでしょう。
3.来期業績予想
- 来期予想は主要都市部でビルやマンションの空室率は低く、今後も建替え需要続くとあります。
- 人件費上昇はこの業界の悩みですね。
- コロナウイルス影響による工事や臨時業務の延期による減収はハリマビステムと同様です。にも関わらず増収増益を見込むとは強気ですね。
- 21年以降がこの業界の勝負所でしょうか。
- 続いて中期戦略です。
- 気になったのは官民連携と民間資金活用事業の項目。
- ハリマビステムが官公庁と医療向けで得意としている領域です。
- ここは公共施設老朽化に伴う更改需要や経費削減のための民間委託がますます拡大していくようです。
- これを見て、長期的には伸びる可能性があるなと気持ちを新たにしました。
- この民間資金活用事業は1999年から制度拡大が始まったようです。
- 同社がまとめているビルメンテ業界の構図です
- 基本的には大企業の傘下子会社が手掛けている構図のようです。
- 確かに三菱電機ビルテクノサービスとか見た事があります。
- ここに割ってはいるのが独立系の日本管財です。各分野の総合管理を有するようです。
以上です。資産株としての保有継続の気持ちは強くなりました。鉄壁の防御を有する銘柄ですね。日本管財の決算動向を分析する事で、ハリマビステムについても展望は明るい事が認識できました。このため、継続ホールドしようと思います。
以上です。