機械系、電気系エンジニア派遣に特化したフォーラムエンジニアリング(7088)の2021年第三四半期決算分析を掘り下げます。
ざっくり見た印象としては
- 雇用調整金助成金受給期間延長により売上原価率DOWNで利益増加
- 売上、利益の主要因である技術派遣の稼働時間増加、待機者数減少傾向
- 第四四半期は若干の赤字予想か。昨年第四四半期は黒字実績有
です。コロナの影響を引きずっておりますが、回復前でこの傾向。製造業は皆上方修正で回復し始めていますのでいずれここも回復すると見ます。そうすれば….来期業績予想は期待できそうに思います。
フォーラムエンジニアリングに関しては資産株記事を書いていますので宜しければ併せて閲覧ください。
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1.2021年度業績予想を上方修正!
- 先日、第三四半期決算の通知と共に業績予想修正が入っています。
- 売上高は変わらずで利益面だけ前回から30%程度上方修正となっています。
- プラス要因はエンジニア派遣サービスにおける、技術社員の稼働時間増加及び雇用調整助成金の受給期間延長、採用抑制。
- マイナス要因はエンジニア紹介サービスにおける顧客企業の求人数減少。
- 後者が伸びてこないと待機技術者の減少に繋がらないので本格的な業績回復の見通しがまだ立たない状況ですね。
業績予想の修正に関するお知らせ より抜粋
2.2021年第三四半期決算分析
- 決算短信と決算説明資料を掘り下げます。
- 前年同期比減収減益ですが、営業利益は通期予想を超過しています。
- 第四四半期は若干の赤字を見込んでいるという事ですね。
- 前年同期の第四四半期は黒字でしたので1月の再度発令された緊急事態宣言の影響次第で更に修正が入るか…といったところです。
- 利益の主要因は雇用調整助成金。売上原価から847百万円もひかれています。
- 販管費のテレビCM関連費用は上期に発生し、売上に対しては重く乗っています。
- 利益増減要因です。
- これを見ると同社の利益構造が分かりますね。
- 技術者の「稼働者数」と「待機時間」が事業の鍵を握ります。
- 稼働者数が減っているため11億の利益減少、待機者数の増加により14億の利益減少。
この2つの指標が事業の生命線です。
- ところで自社株買いも決定し、着実に買付してきています。
- この勢いで予定通り買付してほしいですね。株式価値向上のために。
- 主要指標の派遣人材の稼働率と待機者数の推移です。
- 稼働率は第三四半期は若干回復傾向です。
- 問題は待機者数ですね。若干減少しているとは言え、前年度200名前後だった数が500名前後と300名も増えています。ここを如何に下げられるかは案件数の回復次第です。(案件数も急減しています。)
P/L、B/Sも確認しましたが第二四半期とさほど変わらない状況だったので割愛します。人材派遣業らしく好財務で足元の現金預金は豊富な状態です。50億円の短期借入金は継続してあります。
2021年第三四半期決算短信より抜粋
2021年第三四半期決算説明資料より抜粋
以上です。
*当記事は個別銘柄について言及していますがあくまで個人の見解・分析であり、売り買いを推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。