こんにちは!しがないIE’erです。
会社四季報等で分析した購入対象銘柄について、その購入・売却目標の管理を行う方法を説明します。
今回はSBI証券のポートフォリオ機能を使います。ポートフォリオ機能を使う事によって銘柄の購入・売却目標を一元管理できるようになり、投資判断の早期化に繋がります。
題材として前回までに行った会社四季報のおすすめ銘柄一覧を使います。
今回の対象読者と結論は以下になります。
【対象読者】
・自分が分析した株式の購入・売却タイミングを一元管理したい方
・SBI証券のポートフォリオ機能活用事例を知りたい方
・ポートフォリオ機能を使う際の注意点について知りたい方
【結論】
・自分が分析した対象は購入・売却目標単価を決める
・ポートフォリオ機能を使い、購入・売却目標単価一覧を作成する
・一覧作成後は、購入・売却目標に従って非情に売り買いする
・購入・売却前に目標単価を決めた「前提」確認を!
・ポートフォリオの消費期限は3ヵ月!
以下、順に作成方法と使用上の注意点等説明していきます。
1.はじめに
2.ポートフォリオとは、何故使うのか?
3.SBI証券ポートフォリオ機能を使った管理一覧の作成方法
4.購入前は設定した「前提」を必ず!確認する
・業績悪化:業績予想が変わっていないか
・株式価値変化:株式分割や株式併合していないか
・総合利回り低下:優待改悪や配当減配が起こっていないか
・株式価値の低下:第三者割当増資をしていないか
5.ポートフォリオの活用事例紹介
・IE’erの活用事例
・2019四季報秋号の大型・資産・バリュー株のポートフォリオ
・ポートフォリオは鮮度が命!
6.まとめ
ポートフォリオの一般的な定義は以下です。
・安全資産とリスクを伴う危険資産の投資金額割合をバランスよく管理するための考え方
安全資産・危険資産とは具体的に以下を表します。
・安全資産:預貯金、現金など元本が減らない資産
・危険資産:株式、投資信託、債券、外貨預金など運用によっては元本崩れする資産
年齢別、収入別、支出別など個々人の置かれた環境によって安全資産と危険資産の適した割合は違います。これを理解して運用するためにポートフォリオを使います。
この記事では上記の一般概念ではなく、「投資対象の銘柄売買を一覧で管理する事」。これをポートフォリオと認識して説明します。
ポートフォリオ銘柄管理で用いる目的
・分析で見出した銘柄の売り買い目標を一元管理する
・各銘柄に必要な投資金額を一元管理する
・一元管理を行う事で迅速に売りと買いのタイミングを掴む
ポイント は一元管理です。一元管理できるから使います。
何故、一元管理する事が必要なのでしょうか?僕は以下の理由と考えています。
・すぐに確認!すぐに判断!すぐに行動!出来る仕組みを作る
・意志決定を早くする事で機会利益を最大化し機会損失を最少に抑える
購入・売却目標の株価を把握しておけばすぐ売り買い判断が出来ます。株式は下手をすると1日で急激に変化するときもあります。それを出来るだけ早く、楽に掴むのに銘柄管理のポートフォリオは適しています。
お得な株価を瞬時に把握する事が出来れば、安値で放置されている時に購入できます。つまり機会利益を増やせるのです。
これに対して、欲しい銘柄は大抵高値になっているからそんな事しても意味がないと思われるかもしれません。それは違います。銘柄を詳しく見ていけば必ず購入タイミングに達している銘柄は見つかります。(10年以上四季報で銘柄分析をしてきた経験からです。四季報分析で買いタイミングに達している銘柄がゼロであったことは一度もありません。)
株価が上がって含み益が出てくるとつい、もっと上がる!もっと上がる!という心理状態に陥りやすくなります。こうなると売るタイミングを逃します。そこに売却目標株価があれば、機械的に判断するので「心理面」の弱さを解消し、機会損失(売り逃しによる利益未獲得)を最少に抑える事が出来ます。
・頭と尻尾はくれてやれ
という投資の格言がありますが、機会損失を最少に抑えるとは尻尾部分に達したら即売れ!という事を表しています。
せっかく時間をかけて巡り合えた沢山の宝の山(銘柄)たち。自分の努力効果を最大化するためにポートフォリオで一元管理するのです。
3.SBI証券ポートフォリオ機能を使った管理一覧の作成方法
それでは実際に僕が利用しているSBI証券のポートフォリオ機能を使って、銘柄の購入・売却タイミング一覧の登録方法や見方を説明します。
【登録方法】
1.欲しい銘柄リストを予め作っておきます
2.SBI証券にログインします
SBI証券のトップページに行くと右上に下図の画面があるのでユーザーネームとパスワードを入力してログインします。
以下の画像はSBI証券より引用しています。
3.ログイン後のトップページ画面上のポートフォリオ(赤枠)を選びます
4.左上の新規ポートフォリオ作成(赤枠)を選びます
登録前に銘柄リストは予め四季報などで目標購入単価や売却単価を決めて用意しておきます。
5.ポートフォリオ名を付けます
飛んだ先で新しく作るポートフォリオの名前を付けます。
メモには何の分類か説明を入れます 。
6.ポートフォリオ作成ボタンを押します
試しに僕は先日分析した会社四季報2019秋号の資産株の購入目標単価を登録するため、以下のように作ってみました。
次に出来上がったポートフォリオに銘柄を追加していきます。
7.銘柄追加登録ボタンを押します
8.登録画面にて、対象銘柄の証券コード、数量、買付単価を入力し、左下の登録ボタンを押します
証券コード:自分が銘柄管理する対象に割当てられている4桁のコード。SBI証券内の銘柄検索や、Yahooファイナンスなどの銘柄検索をすれば出てきます。
数量:対象銘柄を購入するのに最低必要な株数。100株、1000株、10株などあります。
買付単価:欲しい銘柄を買う際の目標単価を記入します。(例えば、資産株なら目標とする総合利回り(配当+優待)に達する株価)
*一度に10銘柄までまとめて登録できます
9.証券コード、購入単元株数、購入目標単価が登録されているか確認する
銘柄登録ボタンを押すとひとつ前のページに戻ります。銘柄登録をしていると一覧に出てくるようになっています。表現されている値は以下のようになっています。
→証券コード:証券コード
→数量:単元株数
→参考価格:買付目標単価
自分が入力した値通りに数字が入っているか確認しましょう。(次の10の画面のようになります)
10.購入候補を全て登録していきます
*ひとつのポートフォリオに50銘柄まで登録できます
僕の場合、自分が持っていなかった資産株を中心に登録すると下図のようになりました。
【作成したポートフォリオの見方:購入判断】
先に登録したポートフォリオにおいて
・参考価格が目標購入単価になります
・現在値が参考価格より下回っていれば、購入タイミングになります。
下の図の例だと、8005スクロールの現在値が参考価格を下回っているので買い!と判断します。損益(%)という項目を見ると参考価格と現在値の値差が割合で表示されるので判断しやすいです。(色で見てもいいですね。青なら買い!だと。)
基本的な使い方はこれで良いです。
出来上がったポートフォリオを定期的に確認しましょう。市場が大きく変動した時は購入目標単価に達する時が多いです。チャンス到来ですね。
ですが購入単価に達したら即買い注文を出すのではなく、いくつか前提確認をする事が肝要です。次章でいくつか考えられる前提を説明します。
4.購入前は設定した「前提」を必ず!確認する
購入目標単価に達した時、その原因が市場変動などの「外部要因」であれば購入するのは間違っていません。注意すべきは対象銘柄の企業で起こっている「内部要因」によって株価が変動している時です。
僕が主に確認している前提条件を4つ例を挙げて説明します。
作成したポートフォリオを使って購入単価に達した時の前提確認項目は次の4点です。
・業績悪化:業績予想が悪い方に変わっていないか
・株式価値変化:株式分割や株式併合していないか
・総合利回り低下:優待改悪or廃止や減配が起こっていないか
・株式価値の低下:第三者割当増資をしていないか
何故、この前提項目を確認する必要があるのか理由を順に説明していきます。
・業績悪化:業績予想が悪い方に変わっていないか
購入単価を設定した時に前提としていた来期業績予想があったはずです。四半期決算が出た後に前提が変わっている事が多く、購入単価に達したので買い!っと思ってよく失敗します。購入前に直近の四半期決算予想が下方修正して悪化していないか確認しましょう。
予想が変わっていなくても、四半期決算内容を見て的中確率を考えてみましょう。通期決算に対する四半期決算の進捗率が悪いと業績下方修正する可能性が高いです。ざっくり見立てでは売上・営業利益ともに25%は四半期で達成しているべきです。
もしくは業種によって季節変動があるので基本的には「前年同期比」で売上、利益ともに増収増益になっていれば大丈夫です。(増収増益予想の来期予想である場合)
*これが個別銘柄の前提確認としては一番大事だと考えています。企業の将来を左右する最も重要な要因は業績だからです。
・株式価値変化:株式分割や株式併合していないか
株価は業績向上を繰り返していくと価値が高まり上昇し続けます。あまりにも高いと個人投資家が買う事を敬遠します。反対に株価が安すぎると1円単位の値動きで株価が大きく変動する事でも敬遠されます。これを解消するために株式分割と株式併合があります。
株式分割とは、対象株式の単価を下げて発行数を増やす事です。(例.1000円の株を2分割して500円にする。)
株式併合とは、分割の逆の現象です。(例.1株10円の株を100個1つにまとめて1株1000円にする。)
1株→2株への分割、1000株→100株への併合などは明らかに参考価格と購入価格の変化が大きいので見分けが付きやすいです。
ですが、1株→1.3株とか微妙な割合で分割・併合すると前提を間違えやすくなります。
・総合利回り低下:優待改悪や減配が起こっていないか
減配や優待廃止発表時は株価はかなり下がります。(10%相当など実際の影響以上に下がる)通常、減配は業績悪化時と同時に発表する事が多いためインパクトがより大きいのです。僕はこれをよく確認せずに購入単価に達した!と思って買ってから気づく失敗をよくしていました。
・株式価値の低下:第三者割当増資をしていないか
最近はあまり見かけなくなりましたが事業拡大や負債返済のために銀行向けなどに第三者の割当増資を実施する会社があります。割当増資のイメージはこんな感じです。
・A社は株式を上場しており10万株発行している
・事業拡大のため取引先B社へ1億円の融資をお願いする代わりに自社株式を1株5000円で2万株相当を新たに発行する事にした
発行枚数は
1億円 ÷ 5,000円/1株 = 2万株の発行
・発行時点では会社の利益の額は変わらないので1株当りの利益が下がる
上記の例だと、仮に1株当りの利益が100円だとすると
増資前の1株当り利益:100円
増資後の1株当り利益:100円×10万株 ÷ (10万株+2万株) = 83.3円(約17円のマイナス)
このような形で増資直後は株式の利益が減ります。このため、短期的には株価は下落する事が多いです。増資によって将来利益が増える可能性もありますが、これが約束された訳ではないからです。
以上4つ説明しました。他にも注意すべきことは探せばあるでしょうが、ここで示した4つに該当しなければとりあえず問題ないとみて僕は投資します。
4つの情報を購入前に仕入れたい場合は、対象銘柄の会社サイトの「IR情報」を確認すると良いでしょう。株式を上場している会社であれば大抵載っています。SBI証券の個別銘柄ごとの「適宜情報」を見ても良いでしょう。
余談ですが、株式分割は上手く活用すると凄まじい武器になります。昔、1株あたりの単価が数十万や100万単位の時代には面白い事が沢山起きていました。ユニークなので、今度また記事にしたいと思います。
5.ポートフォリオの活用事例紹介
・IE’erの活用事例
銘柄分析して購入目標単価を設定したポートフォリオの作成方法を紹介しました。次は僕がやっているポートフォリオの活用事例を2つ紹介します。
①購入目標に達したかを管理
4章で作成した購入目標金額の一覧が表示されたポートフォリオを、毎日1回定期的に確認して購入目標金額に達したかを見ています。手元に資金があり、4章で説明した4つの変動要因に該当しなければ打診買いします。
このポートフォリオを使って実際に2019年9~10月に
・8005スクロール-100株
・9831ヤマダ電機-100株
を購入しました。ヤマダ電機は若干目標金額を上回りますが、資産株として配当+優待利回り5%以上なら購入OKとIE’erは考えており、この水準はクリアしていたので購入しました。
②売却目標に達したかを管理
これは、キャピタルゲイン(株価の値上り益狙い投資)で購入した大型株とバリュー株の売却目標管理で使います。既に購入が済んでいる銘柄一覧がいくらになった時に売却するかを事前に決めておくのです。
実際に僕が今(2019年10月)、売却単価目標の一覧を整理して日々管理しているポートフォリオを紹介します。(下図)
基本的な考えは購入目標単価管理と一緒です。
目標売却単価に達したら売却です。ですが売却目標の場合、ここに1つ追加で考えを入れて管理しています。それは
・若干未達でも時には売却する
です。これは、相場に参入する際の「頭と尻尾はくれてやれ」に付随した考えです。僕の場合、目標売却単価は過去実績PER、PBRを元にざっくりと設定しています。だから、目標に固執しすぎず想定通りの株価インパクト(上方修正、増配等)が出て株価が上昇しきっていたら売ります。
もしくは、地合が悪いせいで目標売価に届かないときも売却します。ここに拘る理由は
・キャピタルゲインは値上がっているうちに売却してナンボ
だからです。
・2019四季報秋号の大型・資産・バリュー株のポートフォリオ
参考ですが、購入目標単価一覧として記事5~7で紹介した大型株・資産株・バリュー株のポートフォリオを紹介します。僕の大型株、資産株、バリュー株に関する考え方概要や紹介した銘柄一覧を知りたい方は下記の記事を参考頂けると嬉しいです。
大型株のおすすめ銘柄一覧
資産株のおすすめ銘柄一覧
バリュー株のおすすめ銘柄一覧
【大型株のおすすめ銘柄:購入目標単価一覧】
【資産株のおすすめ銘柄:目標購入単価一覧】
作成例で何度かお見せしました。
【バリュー株のおすすめ銘柄:目標購入単価一覧】
・ポートフォリオは鮮度が命
・頑張って銘柄分析して
・購入・売却目標単価を決めて
・ポートフォリオに登録して
と結構手間がかかる作業を行っていきますが、そんなポートフォリオの消費期限は3ヵ月と僕は見ています。次の四季報が発売されると内容がガラッと変わる可能性があるからです。(業績続伸→減益等)
四季報等を買う、全部調べる、良銘柄の購入目標と売却目標を設定する。ポートフォリオ化する。大変ですが、しゃあないです。最初は苦痛でしたが、10年単位で続けていると慣れます。あと、毎号しなくても良いと割り切っています。詳細分析しない四半期は購入を控えて売却目標管理を中心に行うなど臨機応変に対応しています。
唯一3ヵ月以上経過してもしばらく使えるのは「資産株」かと思います。資産株はインカムゲイン(配当収益)重視であるため、目標の配当+優待利回りを管理すればいいからです。ですが、購入前に4章で説明した4つの項目確認は必須で行っています。
一般的なポートフォリオの考え方から入り以下の項目を説明しました。
・分析した銘柄の目標購入単価の登録方法(SBI証券のポートフォリオ機能)
・購入前に確認すべき4点の説明
・業績悪化
・株式価値変化
・総合利回り低下
・株式価値の低下
・作成したポートフォリオの活用例
・ポートフォリオは鮮度が命
優れた分析手法や勝率を挙げている方は何人も見かけますが、購入と売却目標を決めて日々管理している説明をされている方はあまり見かけません。株のメインはキャピタルゲイン(値上り益)であるため、ここの管理はかなり重要になると僕は思います。
結論を振り返ります。
【結論】
・自分が分析した対象は購入・売却目標単価を決める
・ポートフォリオ機能を使い、購入・売却目標単価一覧を作成する
・一覧作成後は、購入・売却目標に従って非情に売り買いする
・購入・売却前に目標単価を決めた「前提」確認を!
・ポートフォリオの消費期限は3ヵ月!
SBI証券のポートフォリオについてこんな使い方しているよ!!
っていう良い情報あれば、教えて頂けると勉強になります。閲覧有難うございました!
“【投資8.】SBI証券のポートフォリオ機能を活用した銘柄の購入・売却タイミングの管理法” への1件の返信